
■Philliammという名前とロゴに込めた想い・意味をお聞かせください。
Phillia(最大の利他は最大の利己という「愛」を表す古代ギリシャ語)をイニシャル「M」の私達夫婦2人のデザイナーが体現するブランドとして「Philliamm」をつくりました。
ジュエリーを通して、違う個性が認め合い寄り添う社会を目指して活動しています。
ロゴマーク(色の違う2本の線をねじって1本のより線にしたデザイン)には、その想いを反映したデザインを採用しました。
一つにはなれなくても、それぞれ違う個性として認め合い、寄り添い力を合わせていきたいという想いを込めています。
相手を尊重し、微力だとしてもまず自らの力を差し出すことで、一人では得られない、より強い力を手に入れられる。これを「Phillia」の一つの例ととらえ、私達は、ジュエリーを通して社会に貢献出来る事を、日々考えています。
■ジェンダーレスジュエリーブランドを立ち上げた経緯についてお聞かせください。
ジュエリーをみんなで楽しみたかったから、できるだけ枠組みにとらわれないものを作りたいと考えていました。
パートナーと共有できるジュエリー、おばあちゃんやおじいちゃんが孫に譲っても喜ばれるジュエリー、もちろん逆も素敵ですよね。
そんな事を色々と考えているうちに、まず“ジェンダーレス”は必須だという結論になりました。衣服と違い、性別の差がデザインに大きく影響しないという点からも、ジュエリーブランドでジェンダーレスを考えるのは理にかなっていると思いました。
■どのようなデザインを心がけているかお聞かせください。
「遊び心を隠し味にした、個性的でありながら、上品で洗練されたデザインのジュエリー」
これをデザインコンセプトとして考えています。
まだ小さく日も浅いブランドなので表現できていない部分も多いのですが、この考え方に沿って商品を創造しています。
そしてPhilliammは、ジェンダーレスデザインを考え続けるブランドとして活動しています。私達はジェンダーレスデザインに定義はないと考えています。
「ジェンダーレス」が、「男らしさ」「女らしさ」と並ぶ“新しい価値観”として定着していった先に、概念としてのジェンダーレスデザインがあるのではないかというのが私達の考えです。
「ジェンダーレス」が一般的な価値観として定着していく流れの一助になれるよう、ジェンダーレスの観点から生み出したデザインでお客様に選んで頂くことを目指しています。
■裏に掲げているテーマとして人種主義や性犯罪反対があり、このテーマを掲げている団体様へ寄付をされているとお伺いしました。今回は多様性を掲げているWaWianに寄付をしていただきましたが今後の寄付活動の展望や期待を教えてください。
まず前回の寄付のテーマは「知れば変わる」でした。
今の社会で多くの人が差別や犯罪に苦しめられているという事を、SNSやメディア、執筆などで情報発信している方に寄付させていただきました。実例を少しでも多くの方に知って頂き、考えて頂く機会が増えたら良いなと思ったからです。
しかし、人々の辛い思いに日々情報として直面するだけでも、私自身精神的にかなりダメージがあったのも事実です。
そこで今回は、多様性やジェンダーレスという考え方がもたらす可能性の広がりや魅力を伝えることで、“ポジティブ”な面から差別や犯罪抑止に貢献していこうと思いました。
そういった理由で寄付のテーマを「多様性」として、今回Wewian様に寄付をさせて頂くことに決めました。
今後もジェンダーレスデザインを考え続けるブランドとして、多様性やジェンダーレスの観点から表現している個人・企業に少しでもお力添えしていきたいと考えています。
価値観が醸成するためには多くの意見や思考が混ざり合わなくてはいけないと思いますので、そのための推進力に微力ながらもなれたらいいなと考えております。
■Philliamm様が目指していること・ものをお聞かせください。
ロゴマークの説明でも触れましたが、ジュエリーを通して違う個性が互いに認め合い寄り添いあう事を目指しています。
人種も年齢も性別も趣味嗜好も関係なくみんなが、各々好きなジュエリーやアクセサリーを愛でて幸せな気持ちになって、さらに他の人のものを褒め合って優しい世界が生まれたら良いなって思っています。
あとは、例えば、基本的にはジュエリーやアクセサリーは着けないという人が、Philliammは考え方が好きだから一つだけ持ってるみたいに、いろんな角度から少しずつ少しずつ人々の先入観や固定観念を溶かして、新しい可能性に繋げていけるようなブランドになれたら嬉しいなって思います。
■今後のジェンダーレス業界に対する期待をお聞かせください。
現在の“ジェンダーレス”は産業と連動している部分があり、景気の影響や社会の認知の低さから、思うような実績が上がらないと方向転換してジェンダーレスを打ち出すことをやめる企業が出てきたりすると思いますし、大衆的定着にはまだ時間がかかると思いますが、一過性で終わってほしくないです。
勉強不足であれば申し訳ありませんが、異性装の文化は歴史上あれど、“ユニセックス”ともまた違う“ジェンダーレス”は新しい価値観だと思っています。
先入観や固定観念にとらわれた人を解放する助けにもなるし、文化の醸成、フラットな社会形成の一助になると思っています。
その為には小さくとも発信を続ける事だと思います。“ジェンダーレス”の中でも色んな表現や思想が混ざり合い、だんだんとブラッシュアップされ、大衆の認知を得ていくのだと思っています。
“Philliamm”という小さなブランドからも少しずつ発信し続けます、みんなで頑張りましょう。
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